オンラインギャンブルサイトで必ず目にする「責任あるプレイ」。
数ある「責任あるプレイ」の取り組みの中でも主な目的とされるのはプレイヤーのギャンブル依存症を防ぐことです。
今回の深掘りトピックでは、依存症対策としての「責任あるプレイ」を中心に、年々厳しくなっている「責任あるプレイ」の規制がギャンブル業界に与えている影響について取り上げます。
オンラインカジノ、ブックメーカーやオンラインポーカーサイトを訪ねると、「責任あるプレイ」という言葉をよく目にすると思います。
英語ではresponsible gaming(レスポンシブル・ゲーミング) と呼ばれ、サイトによっては責任あるゲームプレイや、責任あるギャンブルと訳されていることもあります。
これはオンラインギャンブル業界産業が公正さと誠実さを保ちつつ、ギャンブルによる引き起こされる可能性のある有害な結果を明確に示すことを目的とした社会的取り組みのことです。オンラインギャンブルの運営者はプレイヤーがギャンブルを娯楽として楽しみ、安全にプレイできるよう、様々な「責任あるプレイ」に取り組む必要があります。
「責任あるプレイ」の取り組みは幅広く、依存症対策のほかに、犯罪対策や未成年者の保護、また公正なゲームの提供や顧客への正確な支払い、顧客情報の保護も含まれます。
今回の深掘りトピックではプレイヤーの依存症対策を含め、おもに以下に焦点を絞っています。
取り組みの目的 | 具体的な取り組み |
プレイヤーの依存症対策 | 各種パチンコ モーニングツール、プレイパチンコ モーニング、広告のパチンコ モーニング、資金源に関する書類の提出など |
マネーロンダリングなどの犯罪対策 | KYC(本人確認書類)の提出 |
未成年者の保護 | KYC(本人確認書類)の提出、広告のパチンコ モーニング |
IR法案でも大きな争点となっているギャンブル依存症対策ですが、オンラインギャンブル業界でも近年ますます規制の整備が進んでいます。
ここで規制の厳しさが増している背景をオンラインギャンブルの歴史ととともに振り返ってみたいと思います。
比較的新しい産業であるオンラインギャンブルですが、その歴史の始まりは1994年とされています。
カリブ海の小国、アンティグア・バーブーダで自由貿易処理法が可決され、ここに世界初となるオンラインギャンブルサイトのライセンスの発行国が誕生します。そしてその二年後の1996年にはカナダのモホークインディアン部族が運営するカナワケ・ゲーミング・コミッションが設立されます。
それから次々とライセンス発行国が設立されていき、オンラインギャンブルはポピュラーな娯楽へと成長していきます。
しかし当時のオンラインギャンブル規制は現在のものとは程遠く、勝利金の未払いや、不正操作の疑惑など多くの問題が報告されていました。また、ライセンスを持たずに運営するギャンブルサイトが数多く存在していました。
そしてオンラインギャンブル人口が増えるに伴い、多くの依存症プレイヤーの存在が明らかになります。
損失額を取り戻そうとし、継続して入金を重ねるプレイヤーや、勝利したものの支払われるまで待つことができず、出金申請をキャンセルし全ての勝利金を溶かしてしまうプレイヤー。もはや自分ではプレイをコントロールできない、ギャンブル依存症に陥るプレイヤーが続出します。なかにはジャックポットで当てた勝利金をまるまる溶かしてしまったプレイヤーもいました。
依存症対策が脆弱であった背景には、オンラインギャンブルの人気の高まりが多くの発行国にとって予想以上に早いものであったということが挙げられています。オンラインギャンブルの人気に法整備が追い付けずにいたのです。
そうして業界全体で依存症対策の重要性が認識され、現在では「責任あるプレイ」は業界全体で最重要事項として認識されるようになりました。
各ライセンス発行国は規制のアップデートを重ね、今も年々厳しくなりつつあります。
⛑ギャンブル依存症にお悩みの方、また家族や友人がギャンブル依存症に苦しんでいるという方は専門のヘルプセンターへご相談されることを強くお勧めいたします。
ギャンブル業界全体で「責任あるプレイ」が重要視され、規制は厳しくなりつつあるものの、ライセンスによりその厳しさの度合いが大きく異なります。
厳しさ度 ★★★ | 厳しさ度 ★★☆ | 厳しさ度 ★☆☆ | |
主なライセンス | スウェーデン、ドイツ、UKなど | マルタ、ジブラルタル、マン島など | キュラソー、カナワケなど |
ここからは、世界で最も厳しい規制のうちの一つを打ち出しているスウェーデンと、規制が緩やかなことで知られるキュラソーライセンス、そしてその中間を取るマルタライセンスを比較してみます。
ギャンブル依存症対策のために非常に厳しいルールを設けている代表格がスウェーデンの規制当局であるSpelinspektionen(スペルインスペクーネン)です。
運営者が、スウェーデン居住者に向けてのサービスを提供するためにはスウェーデンライセンスの取得が必要となります。スウェーデン以外のライセンスを持つ運営者はスウェーデン国内のプレイヤーに直接向けて働きかけてはいけません。また、スウェーデンクローネでの決済オプションを提供することもできません。
一方で、国内居住のプレイヤーは他のライセンスの下で運営されているサイトでプレイすることは容認されています。
国内では、スウェーデン当局の打ち出す規制は厳しすぎるという批判の声が上がっています。
また、この夏施行されたドイツの規制も同様に非常に厳しい規制で有名です。
スウェーデンやドイツほどではないという意味で、厳しさ度は中間とカテゴライズしたマルタライセンスですが、しかしそれでも世界的に見ても非常に厳格であるとされています。
日本マーケットを提供している運営者の多くがマルタライセンスを取得しており、信頼度が高く、またスウェーデンライセンスよりも柔軟性があります。
余談ですが、近頃マン島ライセンスの人気が高まっており、同ライセンスに移行するサイトが増えていきそうです。厳格でありながらもはマルタライセンスよりはやや緩やかです。
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それでも取得や維持の難易度がさほど高くなく、規制も比較的緩やかなライセンスも存在します。キュラソーライセンスがその筆頭格です。(ただし最近は規制を強化する動きが見られます)
その分信頼度も他のライセンスには劣りますが、このライセンスを取得し運営しているオンラインギャンブルサイトが必ずしも信頼できないというわけではありません。ただし玉石混交といえるのでギャンブルサイトのクオリティは見極めが必要といえます。
キュラソーライセンスは非常に知名度が高く人気があり、近年ではより規制の厳しいライセンスから自由度の高いキュラソーライセンスに移行する人気サイトが増えています。
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以下、スウェーデンライセンス、マルタライセンス、キュラソーライセンスの取り組みをいくつか具体例を挙げて見ていきましょう。
各種パチンコ モーニングツール/自己排除ツール
オンラインラインギャンブルでは、入金パチンコ モーニング、ログイン時間パチンコ モーニングなど、各種パチンコ モーニングツールを目にします。そしてギャンブルから離れたいと思ったときは、一定期間あるいは永久にアカウントを閉鎖することができます。
マルタライセンス、スウェーデンライセンスではこの自己排除ツ―ル(アカウントの閉鎖)の設置が義務付けられています。とくにスウェーデンライセンスでは自己排除ツール(Spelpaus)は常にサイト画面に表示されている必要があり、プレイヤーはボタン一つで自己排除することができます。誤ってボタンをクリックしてしまうプレイヤーが続出しており、あまりにも簡単に自己排除できてしまう、として批判の声も聞かれます。
キュラソーライセンス下ではプレイヤー自らが行える自己排除ツールを提供しているカジノと、カスタマーサポートに問い合わせてアカウントを凍結できるカジノがあります。
スロットプレイパチンコ モーニング
多くのスロットファンを失望させているのがスウェーデンで取り入れられている カジノの「スロット3秒ルール」。スピン間のインターバルを3秒以上設けることが義務付けられています。
これ以上ない厳しい処置のように感じられましたが、ドイツライセンスではなんとスウェーデンを上回る5秒のインターバルが必要です。もちろん私たちにお馴染みのマルタライセンスやキュラソーライセンスではこのようなスロットのプレイパチンコ モーニングはありません。
ボーナスパチンコ モーニング
スウェーデンライセンスでは、ボーナスはウェルカムボーナスのみが提供可能です。
マルタライセンスやキュラソーライセンスではウェルカムボーナスを貰う前に入金不要の登録ボーナスを提供しているサイトは多々ありますし、ウェルカムボーナス以降も多くのキャンペーンを提供しています。
キュラソーライセンス下のオペレーターはマルタライセンスと比べて、提供できるボーナスにはより柔軟性があるとされています。
アマチュア競技の未成年者を含むチームにベットは可能?
高校野球など、競技を生業としておらず、未成年者が多く含まれるであろう選手やチームにベットは許されているのかについては、対応しているライセンスとしていないライセンスに分かれます。
スウェーデンライセンスではチーム内の選手のうち半数以上が18歳以上であること、そしてマルタライセンスでは個人へのベットはNGとされています。
キュラソーライセンスでは規定されておらず、完全に各ブックメーカーの判断に委ねられています。
なかには自主規制を行っているブックメーカーもあり、例えばクラウドベットではこのようなベットには社会通念上問題があるという考えのもと、高校野球のマーケットは提供していません。
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週間入金パチンコ モーニング
スウェーデンではプレイヤーが一週間に入金できる額が5,000クローネ(約570ドル)にパチンコ モーニングされています。(新型コロナ感染拡大により新たな規制として2020年7月に導入)この入金パチンコ モーニングは多くのギャンブラーの反発を招きました。
多くのハイローラーが好んでプレイするマルタやキュラソーライセンスでも各サイトにより一日/一か月当たりの入金パチンコ モーニングがありますが、それでもこのような極端なパチンコ モーニングはありません。
登録時のKYCプロセス/本人を確認する為の書類の提出
スウェーデンライセンスの下で運営するサイトでは、プレイヤーは初めてプレイする際にKYC完了が求められます。マルタライセンスやキュラソーライセンスでは多くの場合、登録時にKYCの提出は求められません。
登録時に完全な身分証明が必要という点で厳しいスウェーデンライセンスですが、実はプレイヤーと運営者双方にとってメリットといえる仕組みがあります。
スウェーデンライセンス下運営のサイトでは、プレイヤーは、サイトにアカウントを持たずに、自身のバンクIDナンバー(スウェーデンの身分証明書)を入力することにより直接銀行から入出金をすることが可能です。バンクIDナンバーの入力により、身分証明が即時に行われ、プレイヤーのKYC手続きは完了したことになります。
バンクIDで入出金を行う場合はプレイヤーはわざわざ各種証明書をサイトに提出する必要がありません。また、運営者側の負担も軽くなります。
バンクIDを利用しない場合は仮登録ができますが、その際に各種証明書の提出が必要であり、マルタライセンスやキュラソーライセンスでは認められている証明書では不十分となる場合があります。
ジャックポットシティやスピンカジノを運営するBaytonでは公共料金領収書や銀行残高証明書を居住証明書として顧客に求めていたところ、スウェーデン当局は「これらの居住証明書は顧客がスウェーデンに居住していることを十分に証明するものではない」としてBaytonにKYC手続きの見直しを命じ、スウェーデンの財務局が発行した身分証明書を求めるように指導があったという事例があります。
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資金源の確認
どのライセンスでも資金源に関して追加書類を求められることがありますが、その基準や取り組みは異なります。
マルタライセンス下のカジノでは入出金が一定の金額を超えた全てのプレイヤーに資金源に関するアンケートが求められます。さらに追加書類が求められることがあります。顧客はアンケート、追加書類を提出し、承認されるまではアカウントは一時停止となり出金することはできません。
スウェーデン、およびキュラソーライセンス下のカジノでも同様に求められますが、その時期は個々のアカウントの状態により異なります。
広告のパチンコ モーニング
「倫理的でないマーケティングや広告活動」を行うことは禁じられていることは共通しています。ギャンブルプレイを煽るような謳い文句を掲げてはいけません。
そしてスウェーデンでは「今すぐプレイ」のようなといった文言も煽り文句とされ、ギャンブル法に違反するとされています。スウェーデンライセンス下のカジノでは「バンクIDで登録する」「ここでプレイする」などのシンプルな言葉が並んでいます。
マルタでは広告宣伝に関し規制を強化しています。バーやレストラン、公共交通機関での広告は禁止されています。
⛑ギャンブル依存症にお悩みの方、また家族や友人がギャンブル依存症に苦しんでいるという方は専門のヘルプセンターへご相談されることを強くお勧めいたします。
例に挙げたスウェーデンライセンスの「責任あるプレイ」の取り組みの厳しさは驚きであり、日本人の私たちにおなじみの、一般的に厳しいと言われるマルタライセンスですら緩やかなものに見えてしまうほどです。
とはいえギャンブル業界全体において、ライセンス発行国が運営側に求める取り組みが厳しくなっています。
運営者側から見た厳しい規制のメリットとデメリット、そしてプレイヤーから見た規制のメリットとデメリットをまとめてみます。
プレイヤーにとっての主なメリット
プレイヤーにとってはギャンブル依存症の防止という点ではやはり安心です。
また、自らにギャンブル依存症の危険性を感じた際には、多くのサポートを迅速に受けることができます。
ライセンス発行機関の厳しい規制をすべてクリアしており、かつ厳しく監視されているため、ギャンブルサイトとしての信頼性は高いというメリットがあります。
運営者にとっての主なメリット
運営者側にとって最大のメリットはマネーロンダリングなどの犯罪行為が起こりにくくなることです。
プレイヤーにとっての主なデメリット
プレイヤーにとってはパチンコ モーニングの多いサイトでのプレイはボーナス、入出金方法などさまざな選択肢が少なく、入金パチンコ モーニングなどの自由度が低さがデメリットです。また娯楽性もそがれるといった側面があります。
運営者にとっての主なデメリット
運営者にとって最大のデメリットは収益の減少です。安全性、信頼性の高いサイトとして認識はされても、厳しい規制のためプレイヤーそのものの減少、またスウェーデンライセンスやドイツライセンスに見られるような、入金パチンコ モーニングやスロットプレイパチンコ モーニングは運営者の収益に大きなマイナスの影響を与えています。
自由度の低さを嫌うプレイヤーは、より規制が緩やかなオンラインサイトに流れ、なかにはライセンスを持たず、違法で運営するサイトを利用するプレイヤーの存在が問題になっています。
運営者にとっては、厳しい規制付きのライセンスの元で運営することは、犯罪の防止といった点においても安全なのですが、デメリットの項で挙げたように、収益の減少が大きな問題となります。収益の減少が続くとビジネスが立ち行かなくなるため、比較的緩めの規制を持つライセンスのもと運営をするサイトが増えるのは自明です。特に地方ライセンスを持たずに運営するサイトは増えています。
スウェーデンやドイツ人のプレイヤーが自国のライセンスを持たないサイトでプレイをしても特に問題ありません。しかし運営者側は、本来は「居住者に向けてのサービスを提供するためには地方ライセンスの取得が必要」であるため、他国のライセンスだけで運営する場合は「スウェーデンあるいはドイツ在住のプレイヤー対象にマーケットを展開しているわけではなく、たまたまプレイヤーが自分たちのサイトを選んでプレイしている」というスタンスを取って運営しています。
そのような運営者が後に規制国のライセンスを取得しようとした場合、それまでに規制に従っていなかったために「グレーサイト」とみなされ、ライセンスを発行してもらえないという可能性があります。
ちなみに現状日本ではオンラインカジノがそもそも規制されておらず、同じ図式には当たりません。
年々厳しくなるオンラインギャンブル規制と「責任あるプレイ」の取り組み。その大きな目的の一つはプレイヤーをギャンブル依存症の危険から守ることですが、厳しすぎるライセンスの下では肝心のプレイヤーの多くがより緩い規制ライセンスの下でのプレイを求め、かえってギャンブル依存症の危険性を助長するという懸念があります。
そのような事態を避け、本来の目的を達成するため、厳しすぎるライセンス規制は今後見直されていくと思われます。
同時に、緩やかすぎるライセンスは世界的に見ても信頼されなくなっており、そういったライセンスは今後取り組みを強化していく流れになりそうです。
オンラインギャンブル業界にとってプレイヤーの安全を守る「責任あるプレイ」の取り組みは健全なものであり、なくてはならないものです。「責任あるプレイ」への真剣な取り組みにより、オンラインギャンブル業界全体が健全で信頼できる業界だと認識されてきたと言っても過言ではありません。
運営者にとってもプレイヤーにとってもウィンウィンの状態を実現する、よりバランスの取れた「責任あるプレイ」の取り組みを実現するライセンスが評価されていくでしょう。
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